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伊藤さん,ISM研究会の皆さん,今井です。
フジテレビのニュースJAPANの特集,拝見いたしました。ビデオにもとって
おきました。一応,番組をご覧になっていないかた向けに内容を紹介すると,
──
フィリピン人女性が随分と前に日本に来た。で,まぁ,恐らく日本で日本人
男性Aと結婚した(番組ではきちんと説明していませんでしたが,これまで10
数年も日本に滞在することができたのだから,彼女が結婚したのは日本人男性
となのでしょう)。ところが,結婚生活がうまく行かなくて別居している最中
に,別の日本人男性Bと恋に落ちて,子供を産んだ。ところが,彼女はBと結婚
していない(もしかしたらBは別の女性と結婚しているのか?)。従って,戸
籍上は,子供は彼女とAとの子供になっている。
さて,彼女は既にAと離婚しているから,入管から不法滞在を通知する手紙
を受け取った。残る手段は産まれた子供が日本人男性Bの子供であるというこ
とを立証することだけである。そこで,JFCネットの仲介で,彼女,子供,Bが
DNA鑑定を受けることになった。
鑑定の結果,子供は彼女とBとの間にできたことが立証された。彼女と子供
とは日本に残れることになった。めでたし,めでたし。
──てな具合でしょうか。
さてさて,感想です。──うーん,何がテーマだったんでしょうか。伊藤さ
んのご多忙な様子はよく解った(大活躍でしたね)のですが,今一つ番組のコ
ンセプトがよく解りませんでした。木村太郎の解説なんかを聞いた限りでは,
“DNA鑑定が大流行りで既に民間ビジネスにもなっているが,きちんと法律を
作って管理しないとプライバシーの侵害その他(クローン人間とか障害遺伝子
保持者リストとか?)のような社会問題を引き起こしかねない”ということだ
ったんでしょうか。その割には,そのこととはあまり関係がない伊藤さんたち
への取材が番組の大半を占めていたような気が……。
俺としては,あのケースを例にとって,──
>「戸籍法」やら「国籍法」や
>ら「入管法」の問題点のなんやら
を伊藤さんが解説してくれると,もっと話がすっきりすると思います。ご多忙
のようです(それだけはよく解った)から,まぁ,少しお暇があったら,とい
うことで。
なお,俺には,以下の点がよく解りませんでした(戸籍・入管は本当に解り
にくい)。──結局のところなんでDNA鑑定が必要だった(つまりなんで伊藤
さんたちがDNA鑑定を奨めた)のでしょうか。どうも法務省の通達では,もし
日本人の実父による認知があれば,その子の母親には定住が許可されるようで
すね。けれども,そもそもBが積極的にDNA鑑定を受ける意志があるくらいなら
ば,別にそんな鑑定を受けなくても任意認知すれば済むことであるような気が
します。どうも番組を見た限りでは,父親Bの方は任意認知を拒否しているわ
けではないように思われました。そこで,なんでDNA鑑定が必要であったの
か,今一つよく解りませんでした。(1)もしかしたら,たとえ認知しなくても
DNA鑑定を受けて親子関係が立証されれば,入管はその結果を受け入れるとい
うことなのでしょうか(実父Bが別の女性と既に婚姻関係にあり,母親がそれ
に配慮した場合)。あるいは逆に,(2)入管においては任意認知は効力を持た
ないのでしょうか。それとも,(3)あとあとで母親と実父Bとの間でゴタゴタが
起こるのを防ぐために(つまり入管諸法・入管行政とは無関係に),善意で伊
藤さんたちはDNA鑑定を奨めたのでしょうか。どうもケース(3)であるような気
がしますが,俺は入管諸法も入管行政もよく知らないので,こういう疑問を持
ちました。