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 ISM研究会の諸君,政治評論家の今井である。

 あまりに悲惨な,漁業実習船と原潜との衝突事故,いや,漁業実習船に対す
る原潜の一方的追突から早くも五日間がたとうとしている。この漁業実習船に
乗っていた家族が集まっているところにテレビカメラが乗り込み,行方不明者
の家族がいる前で,救助された乗員の家族に向かってレポータが「今のお気持
ちは? 嬉しいですか?」とはしゃいでいるのを見て,“これぞプロフェッシ
ョナルのあるべき姿だ,本当の勇気とはこういうものだ”と感銘を覚えた方も
多かったことであろう。あいつらは命知らずだ。あいつらは怖いものなしだ。

 皆さんもよくご存じのように,われらが森ちゃんは事故の一報を聞いた後で
も首相官邸の危機管理センターに行かずに,ゴルフ場でゴルフを続けていた。
──
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/article/uwajima/200102/11-03.html
http://www.asahi.com/paper/special/uwajima/010211b.html
このことに対して,日本国内のお笑い界では,森ちゃんに非難が集まってい
る。──
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/article/uwajima/200102/14-01.html
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/article/uwajima/200102/14-03.html
http://www.asahi.com/paper/special/uwajima/010212b.html
非難の趣旨は,“森ちゃんは事故の一報を聞いたら,ゴルフ場でゴルフを続け
るのではなく,首相官邸に戻るべきだった”というものである。

 しかしこのような非難は全く以て的外れというものである。なんと言って
も,首相官邸の中ででゴルフを行うのは非常に危険である。危機管理センター
の職員にゴルフボールが当たったらどうするのか。また,国家財産である窓ガ
ラスや置物が壊れてしまうかもしれないではないか。

 それにいくら首相官邸が広いと言っても,やはり建物の中だから,グリーン
と較べると障害物が多すぎ,スコアだって落ちるに決まっている。絨毯の芝目
を読むのも一苦労である。だから,森ちゃんと一緒にコースを廻るゴルファー
にとっても,迷惑千万な話だ。

 一体,森ちゃんの行動を非難する者には,そこまでの思慮があるのか。私は
時流に逆らうと雖も,敢えてゴルフ場でゴルフを続けた森ちゃんの勇気を評価
したい。

 なお,私は現在,“森ちゃんを初代公選制首相に! オレンジ友部を財無大
臣に! 山田勇を男女共同三角担当大臣に!”キャンペーンを張っている。こ
のキャンペーンに賛同される方は,この度,有志らとともに緊急出版した
『ONと言える日本野球』(高天原出版社,310円15銭)を購入の上,裏表紙に
付属の青いリボンを鼻の穴に詰めていただきたい。

 これは余談だが,今回もまた,インターネットがクズの集まりであることが
ものの見事に立証された。──
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/article/uwajima/200102/14-13.html