本文

 神山さん,ISM研究会の皆さん,今井です。

>札幌は日本で最もサラ金業者の多い都市であるという(金融関係者談)。

 やっぱりそうなんですか。1階から4階まで全部サラ金が入っているビルがあ
ったのには正直,度肝を抜かれました。東京の常識で言うと,過当競争だと思
いました。

>ホステスさん用ローン*、学生用ローンのチラシに飛びつくなと講義で
>は注意しております。

 俺の講義でも,利子生み資本と銀行制度のところで“利子生み資本の歴史的
意義”というのをやるのですが,サラ金には注意しろというのが柱です。今年
は商工ローンの話しもしなければならないので,大変だぁ。

 あと,あれだけサラ金が栄えているということは消費者金融だけではなく,
中小企業・自営業向けの商工ローン,手形割引・再割引なんかもやっているん
でしょうね。全く直感的なんですが,拓銀破綻の結果に見られるいびつな貨幣
資本形成・流通がその一因なんだろうなと思いました。やっぱりマルクスが言
っているように,高利貸しは信用欠如の表現である,と。それに神山さんの次
の発言,──

>給料は、月に2回現金
>で支給され

雇用主側が望んでいるのか,従業員側が望んでいるのか,両者が望んでいるの
か,俺には解りません[*1]が,これはちょっとなんですね。

[*1]現金支払は通常は従業員側が望むものです(裁判で
も原告は従業員側です)。それだけ現金保有コストが減
るわけですから……。

 でも,神山さんが述べているような江戸時代的マイン
ドがあるならば,雇用主側が望んでいても不思議はあり
ません。雇用主側の考え:ホステスは金遣いが荒いに決
まっている。現金で支給すれば,ますます金遣いが粗く
なる。これだけでも,このホステスという社会的に決し
て評価が高くない仕事にこいつらを繋ぎ止めておくのに
十分だ(個別的資本の労働者窮乏化政策)。挙げ句の果
てには給料前払さえ求めてくる。借金のカタにせっせと
働かんかい,われぇ〜。お前ら債務奴隷やんけ〜。年季
奉公や,年季奉公や。

>世間一般の言葉では頭の悪そうなお兄さんと形容すべきこの若
>者たちのことを、別名、ポン引きともいいます。

 いや,ススキノのポン引きには度肝を抜かれました。あの堂々とした態度。
歌舞伎町では,もうちょっとこそこそやっています。それなのに彼らは大通り
で公然とポン引きしているんですから。無法地帯だと思いました。

>法律の建前では、性的
>な行為の売買はないことになっている

 売春業を一生の職業として考えると,社会政策上,いろいろと問題が出てき
て,オランダでは売春が完全に合法化・自由化されたのは,ご承知のとおりで
す。長期的に売春の撲滅を目指すのと,短期的に売春労働者の社会的権利を確
保するのとを両立させるのに,どこの国でも困っていますね。